学芸大学附属高校が定員を割って大きな波紋

ijime

学力上位層が総敬遠して翠嵐や湘南に大量進学
現中3生が大学受験時には翠嵐とダブルスコアの差の可能性も

2017年6月時点の情報によると、神奈川大手進学塾である湘南ゼミナールとステップの両方の進学説明会で、「学芸大学附属高校の合格者の6-7割が翠嵐高校や湘南高校に進学した」との説明があったとのことです。

特に、東大・京大・国立医学部などの最難関国立大を本気で狙っているトップ層は、ほとんど翠嵐か湘南を進学先に選んだようで、学芸大学附属高校の合格者の中でも、かつてなら進学していた上位合格者がすっぽり抜けてしまったようです。

もちろん、「文化祭の高3のクラス演劇に強い思い入れのある女子生徒などは、今回の事件でも動かなかった。」ということで、全員が抜けたわけではないですが、6-7割が辞退して、第一志望校として選ばれる学校ではなくなってしまったことは衝撃です。

学芸大学附属高校は、辞退者があまりにも多すぎて、ついに学校の歴史上初めて、入学者数が定員を大きく割るという事態になりました。さらに、6月6日の文部科学省による国立大学評価では、附属病院での死亡事故が相次いだあの群馬大学と共に、東京学芸大学は最低評価の烙印を押され、補助金の削減は必至な状況になってしまいました。

これだけ状況が変わると、4年後の大学合格実績はどうなることか…


【4年後の東大合格者数】翠嵐50、湘南30、学芸大附25


こんな状況下の中で、現・中3生はどうやって志望校を選ぶべきでしょうか。東大合格実績でいうと、現・中3生が高校卒業時には、以下のような実績になっています。

 横浜翠嵐高校 50人  湘南高校  30人  学芸大附属高校 25人


「ここまで変化するのか」と思う人がいらっしゃるでしょう。横浜翠嵐高校には、学芸大附属高校の合格辞退者が大量入学しただけでなく、開成高校の合格辞退による入学も過去最多でした。あの日比谷高校(公立日本一の進学校)と並ぶ実績を出すようになるのはもう確定といっても良いと思います。

部活動や学校行事で青春したいというトップ層も、学芸大附属高校から湘南高校に流れましたから、今年度よりも10人程度は東大合格者も増えるでしょう。

一方の学芸大附属高校は、優秀な生徒を奪われたことによって、優秀な生徒達から刺激を受ける学校生活という魅力が消えてしまいます。

しかも深刻なことに、学校内部の多数派を占める内部進学生の学力低下が止まらないのです。附属世田谷中、竹早中、小金井中の偏差値や応募者数が低下しています学芸大附属高校竹早中学校の応募者数の推移がネットに貼ってあったので転載します。

男子 2004年 473人 → 2017年 162人 

女子 2004年 485人 → 2017年 151人


ご覧の通り、応募者数はかつての7割減という状況です。なぜかというと、結局、中学入試において、東京学芸大学附属高校に内進できたとしても、将来性に期待がもてないということが認知されてきたからはないでしょうか。

高校入試の優秀者の入学が激減し、中学入試で普通の学力の子が入学する学校になりつつあることを踏まえると、現実には、東大25人というのも、維持するのが厳しくなるでしょう。冗談のように思うかもしれませんが、東大合格者数が将来、10人台にまで落ち込むということも、中学入試の状況を見ると濃厚かと思います。




あのイジメ問題の真相を考える


土曜日授業の導入や学校の校則強化による締め付けが在校生に不評で、東京学芸大学附属高校の人気が大きく低下しているというのが5月時点の情報でした。その後、在校生がTwitterやLINEといったソーシャルメディアを駆使して、いじめや盗撮、風紀の乱れといった学校内部の現状を告発する例が相次ぎ、11月下旬にようやく学校側がいじめを会見で認めるかたちになりました。

いじめ問題の真相については、内部生の過剰なエリート意識と派閥の形成による外部生のマイノリティー化や、国立大附属という学校特有の「先生が生徒に興味がない」「いじめやトラブルは起きないことが前提の学校運営」に問題があったとする考えもあります。

詳しくは私にも分かりませんから、下記のウェブサイトを参考にしてください。内部生や保護者の複雑な思いも掲示板などから見ることができます。

【荒廃】東京学芸大学附属高校でいじめが発覚!骨折させられ、セミの幼虫をなめさせられる盗撮などの騒動も! ゆるねとにゅーす

東京学芸大学附属高校のいじめ問題の深刻さ 中高受験新報

いじめで骨折 -東京学芸大学附属高校掲示板 インターエデュ


ここでは、東京学芸大学附属高校の不祥事が、中学受験や高校受験にどういった影響をもたらすのかについて考えてみたいと思います。

とはいっても、今どき多くの中学生や保護者は、説明会の参加のみならず、ネットを使った情報収集も並行して行います。東京学芸大学附属高校の諸問題は、すでに7月時点でネットを通して広く知れ渡っていて、教育関係者の間でも、いずれ大問題になってしまうのでは……と危ぶむ声がありました。

9月時点での模試の志願状況を見ると、東京学芸大学附属高校の第一志望者数が激減していました。学校内部の負の状況を敬遠したのでしょう。この段階で多くの受験関係者が「学芸大附属はかなりまずいんじゃないか」と言っていました。

11月下旬の、マスメディアによるいじめ問題の大々的報道で、東京学芸大学附属高校はとどめを刺されました。9月時点よりも状況はさらに悪化して、従来志望していた受験層は、学力トップ層を中心に志望を止めてしまいました

特に大きな変化があったのは神奈川県だと聞いています。東京学芸大学附属高校を辛うじて支えているのは、神奈川出身の外部生です。ところが、横浜翠嵐高校の復活で、現役で難関国立大学へ進学するには、学芸大附属よりも横浜翠嵐のほうが良いということを、神奈川の高校受験生も気づいてしまいました。(東京都内の高校受験生が気づいたのと3年ぐらい遅れてですが)

そこに今回のいじめ事件が明るみになり何が起きたか…?神奈川県から東京学芸大学附属高校を第一志望にしていた中3生が、一斉に横浜翠嵐高校へ大移動を起こしています。

まともな進学塾はとっくに、東京学芸大学附属高校を薦めていません。こんな状況で東京学芸大学附属高校を推す塾があったらビックリですよね なかには「塾から学芸大附属を受けろという圧力が強いので、仕方がなく受けるけど、合格しても、横浜翠嵐高校も受かったらそっちに行きたい。」という人も。

東京学芸大学附属高校を薦めない理由は、このようにまとめられると思います。

〇いじめの加害者が退学処分にならずに在学したままである点

〇内部生の派閥化と外部生の複雑な関係性の問題が解決されていない点

〇全国に学校名が報道され、評判が著しく悪化してしまった点

〇今後数年で学校の教職員の総入れ替えが行われる予定である点

〇現中3生が高校卒業時より、桐蔭学園に匹敵する史上稀にみる大学進学実績の大凋落が起こることが確実である点

なかでも、最後の大学合格実績に関する問題は、東京学芸大学附属高校のような進学校にとって致命的です。不祥事が起きると、その年から信じられないくらい大学合格実績が下がることは、過去の歴史が証明しています。

神奈川から志願するはずだった外部生が、横浜翠嵐高校へ大移動していますから、東大合格者数は壊滅的なダメージを受けることは確実です。3年以内に50人台を大きく割って、20人台にまで減るでしょう。

さらに、中学入試のダメージも深刻です。学芸大附属の三つの附属中学校は、今回のいじめ事件報道で倍率や入試難易度が低下します。現小6生が高校を卒業する6年後には、東大合格者数が10人台にまで減っている可能性があります。

かつて東大に100名を輩出した桐蔭学園が、今や見る影のないように、一度凋落してしまうと、落ちるところまで落ち続けてしまいます。東京学芸大学附属高校は、今後少なくとも6年間は負のスパイラルが止まらずに続き、進学校の地位は転落します。


それでも学芸大附属に進学しても良い生徒とは

どんなに不祥事が騒がれようが、進学校から転落することが確実であっても、私は東京学芸大学附属高校へ進学したい

「学芸大学附属高校を志望校から外した」という声ばかりが聞かれるなかで、少数ですが「それでも、一度決めた学芸大附属を信じて受験したい」という受験生がいるのも事実です。

学校側は、こういう生徒がまだ存在することをしっかり認識して、謙虚に学校運営をしてほしいです。

東京学芸大学附属高校を受けるか受けないか……。私は、次のような受験生であれば、こんなどん底の状況であっても、東京学芸大学附属高校を覚悟を持って受けてもいいと思います。

〇辛夷祭に強い憧れを持っている!たとえ現役での大学進学を犠牲にしてでも、辛夷祭を経験してみたい!私は附高以外は考えられない。

〇レポートが多い授業スタイルが大好きで、教育実習生の授業の多さや大学受験に非対応なのは個人の問題なので気にならない。

〇人見知りをせず、内部生の派閥があったとしても、気にせずにどんどん積極的に友人の輪をつくることができる。

〇学校が校則強化、行事廃止などで締め付けを強化することに対して賛成 or 生徒たちと抗議活動をしてでも、自分たちで止めて学校を変えてみせるという強い気概を持っている。

大学合格実績がどん底にまで下がることが確実であっても、生徒も保護者もまったく気にしない。東大合格者が10人台になって、近隣の高校に抜かされてしまっても、プライドはないので気にならない。大学進学はあくまでも個人の結果。


この5つの項目にすべて当てはまるのであれば、非常に強い志望の持ち主なので、逆境であっても、東京学芸大学附属高校を志望しても良いと思います。

ただし、1つでも当てはまらないならば、やっぱり、今の東京学芸大学附属高校の志望は考え直したほうが良さそう。特に、現中2生、現中3生あたりは凋落世代になるので、影響は相当大きくなります。

神奈川出身の大手進学塾への通塾者が多いので書きますが、横浜翠嵐高校には、数年以内に100%抜かされる運命にあります。100%です。そういった大学合格実績を気にするか、まったく気にしないかも判断の要素です。

個人的には、今は入学を止めたほうが良いと思います。現中3生はリスクが大きすぎます。現中2生、現中1生は、学校がどう変わっていくのかの状況を見ながら判断していけばいいと思います。


※以下は昨年の5月に書かれていた記事です。


日比谷高校に共学首位を奪われた学芸大附属高校の行方


gakugei


日比谷高校や横浜翠嵐高校の躍進を受けて、ジワジワと進学実績を落としている東京学芸大学附属高校。

今年は1学年当たりの東京大学の合格率で、日比谷高校が東京学芸大学附属高校を上回り、共学首位の座を東京学芸大学附属高校は奪われたかたちになりました。

最近は、東京学芸大学附属高校を第二志望において、第一志望が日比谷高校、横浜翠嵐高校という受験生が増えてきました。高校入試も変わりつつあります。最近の状況についてまとめました。


倍率低下で内進生の学力低下が深刻化


東京学芸大学附属高校は、変則的な中高一貫校です。三つの附属中学校(竹早中学校、世田谷中学校、小金井中学校)から附属高校に集まります。この内進生の学力低下が表面化しています。

中学受験での人気が急落しているのです。倍率は2倍を切りそうな状況で、10年目は6倍以上あったことを考えると、学力上位層が離れてることがわかります。偏差値も低下が止まりません。

レベルの低い内進生が増えると、東京学芸大学附属高校の大学進学実績の低下に直結します。しかも、附属中学校の学力トップ層が、附属高校に内部進学せずに、日比谷高校を選ぶ傾向が強まっています。学芸大附属竹早中学校だけで昨年、8名もの生徒が、附属高校を選ばず、日比谷高校へ外部進学しています。

こうなってくると、内進生と、高校入試から進学する外進生の学力格差は開き続けることになり、学校内部での学力差が激しくなります。大学進学実績にも負の影響をもたらすでしょう。

中学受験生にとっては、附属高校に全員が上がれない附属中学校は、中高が分断されるので魅力を感じません。しかも、附属中学校の3年間で、国立大附属の弱点を知るわけですから、附属高校では大学受験で東大や医学部に現役合格するのは厳しいと感じるようになります。こういった理由が、附属中学校の人気低下、附属高校へ進学しない生徒の増加につながっています。


東京では、日比谷が第一志望、学芸大附属が第二志望に


東大合格者数の推移で見ると、東京学芸大学附属高校は数年単位でドンと実績を落としています。ちょっと前まで、70人台、その前は100人台の生徒を東大に送っていました。ついに50人台にまで下がり、いよいよ来年、再来年ぐらいには、30~40人台にまで下がるでしょう。

一方で、日比谷高校はこのペースでいくと、3年以内に東大は70~80人台には到達します。SAPIXや駿台中学部の模試分析では、現中3生は上位層の志望順位が「第一志望:日比谷、第二:学芸大附属」になってきています。

つまり、下がり続ける東京学芸大学附属高校の東大合格者数をかろうじて支えていた高校からの外進生すら、日比谷高校などの都立トップ校を志向するようになっており、その影響は東大実績の結果として、確実に3年後に響くというわけです。

もともと高校受験を控える中学生にとって、内進生が多数派を占める進学校というのは、魅力を感じません。特に近年は、中高一貫校に途中入学するデメリットが顕在化。附属中学を持たない、全員一斉スタートの学校生活を送れる学校を志向する生徒が増えています。

進学塾の分析によると、東京都内の中学生は、偏差値が高く、東大や国立医学部などの最難関大を志向する受験生ほど、高校選択の際に、中高一貫校でないことや、高校からの生徒が難関大に合格しているか、ということを重視しています。日比谷高校が選ばれるのは、時代の趨勢といえるかもしれません。


神奈川対決 横浜翠嵐高校VS東京学芸大附属高校

東京では、日比谷高校が東京学芸大学附属高校を上回り、日比谷高校が勝利。この差が年々開くことは確実です。神奈川の高校入試状況はどうでしょうか。

神奈川県は、東京都を後追いしている状況で、偏差値70以上の最難関4校(横浜翠嵐高校・湘南高校・柏陽高校・川和高校)のうち、横浜翠嵐高校が東大合格実績で急速に実績を伸ばしています。

今春の東大合格者数を、現役数で判断すると、横浜翠嵐高校が18名、東京学芸大学附属高校が26名です。おそらく高校入試関係者は、この数字を見て、東京学芸大学附属高校の実績の低さに驚くはずです。

神奈川はまだまだ遅れていて、いまだに「学力優秀層は東京の学芸大附属高校へ」という志向が残っています。ところが、最優秀層が東京学芸大学附属高校へせっかく進学しているのに、3年後の実績では、横浜翠嵐高校とそんなに大差がありません。1学年の生徒数は東京学芸大学附属高校の方が多いですから、合格率で比べると、もっと差は縮まります。

横浜翠嵐高校へ進学した生徒は、3年間で伸びて、東大に合格している。
東京学芸大学附属高校へ進学した生徒は、3年間で伸び悩み、現役で不本意な結果になっている。

この差が生まれるのは、やはり高校3年間の環境の差でしょう。横浜翠嵐高校は、中高一貫校との差を埋めて、高校受験生が3年間で東大に合格できるようなカリキュラムを組んでいます。数学の進度は大変早く、付いていくのは大変ですが、この進度に合わせて勉強すれば、中高一貫校の進学校の生徒に追いつくことができる仕組みになっています。

一方で、東京学芸大学附属高校は、進学校として設立されたわけではなく、教育研究校ですから、カリキュラムは文部科学省の定められた進度を忠実に守ります。しかも、他校よりも教育実習生の授業期間が長いので、進度は公立中堅校と同じくらい。もちろん、扱う内容の深さはあるでしょうが、趣味のような授業をする先生が多く、学校の授業は大学受験とかなり乖離しています。

数十年前は、このような授業であっても、生徒たちは入学と同時に予備校に通って、そっちで受験勉強をするので、東大に現役でたくさん合格していました。

ところが、高2までに全範囲を終える中高一貫校が増えたせいで、高校受験組の生徒は、3年間しっかり大学受験向けの授業をする進学校に通わないと、東大に現役合格するのは難しくなってきました。

もしも横浜翠嵐高校ではなく、東京学芸大学附属高校を選ぶのであれば、東大や国立医学部に向けた環境としては、あえて厳しい道のりを選ぶということになります。学校の授業に頼らず、予備校や塾に依存せざるを得ません。

こうした状況が、神奈川の高校受験生もようやく知ることができるようになりました。従来のように「偏差値が高いから、第一志望は学芸大附属」という生徒は減っています。「将来は東大を狙いたいから、学芸大附属より横浜翠嵐」という生徒が増えています。

神奈川でも近い将来、横浜翠嵐高校が東京学芸大学附属高校を抜くと思います。中学生は、偏差値で選ばず、学校の中身で選ぶようにしたいものです。


学芸大附属が土曜日授業を突然導入で人気急落?

ところで、2016年4月、突然に東京学芸大学附属高校が、土曜日授業を行うことを宣言しました。

学芸大附属の生徒は、土曜日を利用して塾や予備校に通っていましたから、土曜日授業の実施によって、いままでのスタイルを変えざるを得なくなります。

日比谷高校や横浜翠嵐高校が、生徒の自主性を尊重し、土曜日は自由参加の講座を実施しているのは対照的です。学芸大附属の生徒が、土曜日も授業を受けざるを得なくなった影響は大きく、中学生の志望状況にも影響しそうです。

学芸大附属の中学校の生徒で、「土曜日授業の強制は嫌なので、附属高校への外部進学を目指すのを止めた」という生徒も出てきており、これが人気低下に拍車をかけるかもしれません。

2016年8月下旬時点の模試の高校別志望状況が関係者に公表されました(高校入試関係者のみ閲覧可能な資料です)。予想通り、東京学芸大学附属高校の志望者数が激減しています。かなり減っています。東京都内では、日比谷高校や都立西高校へ、神奈川県内では横浜翠嵐高校に第一志望が移っているようです。

総合学習の土曜日授業の実施が敬遠されただけでなく、学校で今実施されている改革の評判が良くないらしく、在校生が反発しているとかで、学校内部でのゴタゴタが敬遠された模様です。


説明会通りではなかった

校長が変わり、すべてが変わった

入学したら本当に後悔する。

有名口コミサイトの東京学芸大学附属高校の投稿を見ると、在校生の反発の強さが分かります。学校がトラブルに対して対処できていない様子が浮き彫りになっています。学校側の対応に注視したいですね。